認知症は神経変性疾患であり、環境因子や食習慣を含む生活習慣因子が重要な病因として関与していると考えられる。とくに、コーヒーや紅茶の摂取が認知症の予防効果とリスク因子の両方を示していることから、その影響については依然として議論が続いている。イタリア・University of Modena and Reggio EmiliaのElena Mazzoleni氏らは、コーヒーおよび紅茶の摂取と認知症リスクの用量反応関係を評価するため、メタ解析を実施した。Journal of Epidemiology and Population Health誌2026年2月号の報告。
2025年12月9日までに公表された研究をPubMed、EMBASEよりシステマティックに検索した。対象者の選定基準は、慢性疾患がなく、認知症の既往歴がない集団を対象にコーヒーまたは紅茶の摂取量および認知症発症リスクを評価したコホート研究またはコホート・ネストテッド・ケース・コントロール研究とした。研究の質の評価にはROBINS-Eツールを用いた。コーヒーと紅茶の摂取量増加と認知症の関係について、非線形用量反応モデルを作成した。
主な結果は以下のとおり。
・メタ解析には10件の研究を含めた。ベースライン時点で45万人超が参加し、平均フォローアップ期間は11.5年であった。
・紅茶の摂取量の増加に伴い、すべての原因による認知症リスクは漸進的かつ直線的に減少することが明らかとなった。これは、すべての種類の紅茶と緑茶のみの場合でも同様の結果であった。
・コーヒーはU字型の関係を示し、1日2~3杯(約300~450mL/日)でリスクが最も低かった。
・アルツハイマー型認知症との関連では、1日3杯までのコーヒー摂取はリスクに差がみられなかったが、それ以上の量になるとリスクの増加が認められた。
著者らは「本研究では、適度なコーヒー摂取は認知症リスクに影響を及ぼさないが、1日3杯以上のコーヒー摂取は、すべての原因による認知症およびアルツハイマー型認知症のリスクを上昇させる可能性が示唆された。一方、紅茶の摂取はすべての原因による認知症リスクを直線的に低下させるようである。しかし、アルツハイマー型認知症については、1日1杯超の摂取ではリスクのさらなる低下は認められなかった」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)